Agent Work Graphとは何か: AI coding時代の作業履歴をグラフにする
Claude Code、Codex、Cursor、ChatGPT、GitHub、Obsidianに散らばるAI codingの作業履歴を、会話、diff、意思決定、成果物、学びとして再利用できるグラフにする考え方を整理します。

AI codingの履歴は、チャットログでは足りない
AI codingの作業は、Claude Code、Codex、Cursor、ChatGPT、GitHub Copilot、ブラウザ調査、GitHub Issue、PRレビュー、Obsidianのメモに分散します。各ツールには履歴がありますが、1つの仕事がどう進んだのかは横断して見えません。
たとえば、ChatGPTで調査し、Claude Codeで実装し、Codexでレビューし、Cursorで修正し、GitHubにPRを出し、最後にObsidianへ学びを残す。この一連の流れは、実際には1つの作業です。しかし現状は、会話、diff、コマンド、判断、成果物、学びが別々の場所に残ります。
Agent Work Graphは、この分断されたAI作業履歴を、あとから検索、説明、再利用できる構造にする考え方です。単なるAI chat history viewerではなく、作業のground truthを作るためのレイヤーです。
英語圏で言えば、これはAI coding historyやAI agent work historyを、個別ツールのログではなく、仕事単位の記憶として扱う試みです。
Agent Work Graphで記録すべきもの
| 記録対象 | なぜ必要か | あとでできること |
|---|---|---|
| prompt / response | 何を依頼し、何を返されたかが残る | 前回の会話を検索し、次のエージェントへ渡す |
| tool call / shell command | AIが実際に何を実行したかが残る | 失敗した操作、成功した手順、再現手順を追える |
| file diff | どの変更がどの会話から生まれたかが残る | PR説明、レビュー、ロールバック判断に使える |
| error / retry | どこで詰まり、どう直したかが残る | 同じ失敗を避けるskillやplaybookに変換できる |
| decision | なぜその設計にしたかが残る | レビュー時に前提を説明し直さなくてよくなる |
| commit / PR / issue | 作業の成果物と履歴がつながる | このPRに至るagent sessionを追える |
| learning | 再利用できる知見が残る | Codex skill、Claude skill、Obsidian noteへ変換できる |
重要なのは、すべてを巨大なログとして保存することではありません。作業単位、リポジトリ単位、ファイル単位、issue/PR単位、agent単位で検索できるように、関係を持ったイベントとして残すことです。
なぜ今この言葉が伸びるのか
AI codingは、補完の時代から委任の時代へ移っています。IDEの横で提案を受けるだけでなく、CLI agentやMCP toolを使って、複数ファイルの変更、テスト、調査、レビューまで任せる場面が増えています。
この変化で必要になるのは、AIを使う能力だけではありません。どのエージェントが何を実行し、なぜその判断に至り、どの成果物に反映されたのかを追える能力です。これは個人開発者にとっては再開性であり、チームにとってはレビュー、監査、学習資産になります。
| 表面的な悩み | 深い課題 | 記事で使うべき言葉 |
|---|---|---|
| Claude Codeの前回作業を覚えてほしい | セッションをまたぐ作業文脈がない | Claude Code memory / AI agent memory |
| Codexにレビューの前提を渡したい | 別agentの会話とdiffがつながらない | cross-agent memory / multi-agent coding |
| AI codingの履歴を見返したい | チャットログだけでは実行結果が追えない | AI coding history / Agent Work Graph |
| 成功した手順を再利用したい | 作業パターンがskill化されていない | agent skill extraction / reusable agent workflow |
Contextbergではどう扱うか
Contextbergは、Agent Work Graphの最初の入口として、PC上の作業文脈をローカルに集めます。デスクトップ側ではスクリーンショット、ブラウザ履歴、キーボード入力、アプリ利用、エージェント会話履歴を扱い、Chrome拡張側ではChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity、Manusの会話履歴を扱います。
この2つがつながると、Claude CodeやCodexの会話履歴だけでは見えなかった『なぜその判断になったか』まで追えるようになります。ブラウザで読んだIssue、ChatGPTで試した案、Claudeで作った仕様、Codexで見つけた懸念、GitHubに出したPRが、同じ作業の一部として扱えます。
長期的には、これは個人のAI coding history toolを超えて、チームのagent observability、Proof of Human/Agent Work、AI Work Ground Truth Layerへ広がる領域です。まずは個人開発者が自分の作業を再開しやすくするところから始めるのが現実的です。